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ボーナス

Binary Life

はてなという会社に入社した時、なんとなくではありますがアウトローな経歴の持ち主で活躍している方々がいるのが、嬉しかった。こんなことを言うと入社したばかりの下っ端で年下で偉そうではあるけれども、それが本心でありました。

世の中では夏頃と年末頃になると「ボーナス」という話題がニュースになったりしています。テレビ番組によっては街角インタビューなどを撮影して、今年のボーナスは下がっただの上がっただの一喜一憂する酔っ払ったサラリーマンたちを放送しては、最近の経済はこんなでしたという、さも納得味がありそうなことを話たりしているのです。 ITの会社でも差はあれど例外ではなく、そんな話題が聞こえてきたりします。今年は全然もらえなくて残念。今年は去年より増えて嬉しい。俺の弟はもっともらってるんだ。

正直なところ私にはその感覚がいまいちよくわからないです。そもそもボーナスというものがいつももらえるというのもよくわからないし、一定額もらえてあたりまえでそこから上がっただの下がっただの言っている人たちの感覚が本当に全く理解できないのです。これは幾分偏見だとは思うけれど、サラリーマンというのは常にサラリー的な感覚・考えしか持ち合わせていないのではないかと疑ってしまいます。働いているからもらえて当たり前という(私からすれば)なんとも傲慢な考え方。

そう思うようになったのもやはり私の経歴に関係しているように思います。学生を卒業してすぐの頃、私は典型的なダメな若者であったように思います。就職活動というものに疑問を思っていた私はそんなことは全くせず、バイト先に入社しそもそも学生の頃に学んでいたものとは関係のない飲食店に身をおいて働いていました。ある程度、仕事にも慣れてそこそこな感じで働いていましたが、一年も続かず辞めてしまいました。もっとできるはずだという、いかにもダメな若者の言い訳みたいなものを抱きながら。しかし、その言い訳を言っているだけでは本当にダメだと認識していたのがまだ少し良かったところだとは思います。 それからはなりふり構わずその時に最大限できることだけを意識していました。再就職した先も社員5人ほどの地方の本当に小さな会社でした。けれども、私にとっては最高の会社でした。スタッフは少ない。だからこそ全員がどうやって会社の(果ては自分たちの)お金を作るのかというのを徹底的に毎日考えていかなければならない環境でした。私は制作でしたし、営業社員もいましたし、そんな職種の隔てはなく、役員も社員も関係なく意見を言い合って常に自分たちで考えてどうしていくべきかというのを話していました。もちろん時には対立することもありましたが、それらはすべてどうやって自分たちの組織を良くするのかということに向いていたように思います。 わたしも例外ではありませんでした。制作とはいえども売上を上げなくてはならない立場になった時、いろいろ試しましたし、いろいろと提案しました。ほぼ営業のような仕事もしました。そうやってなんとか一年、一年少しづつ売上を増やしていって、制作として会社を支えられるような人材になれた気がしましたし、実際に貢献することができていました。その頃の手取りの給料は大卒初任給なんてのはおろか、大学生の時にアルバイトでもっとも稼いでいたときよりも少なかったです。それでも、その頃が私にとっては一番楽しかったし、一番いい大切な思い出として残っているのです。

そんなころ、ボーナスなんていうものは皆無でした。来年、存続できているかもわからない状態ですから当然です。その頃、どんなに売上に貢献してもたいして給料なんて上がりませんでしたし、ましてやボーナスなんてものはありませんでしたが、それでも自由に仕事をいろいろやらせてくれる上司には本当に今でも感謝しています。それこそが私にとって他に代えがたい対価でした。仕事も趣味もなくいろいろなものを作っては、こんな風なものができるのでといって営業ツールを提案したり、何かを学んで、考えて、新しいことがどんどんチームのチカラになっていくのが何よりうれしかったです。

大した期間ではなかったかもしれませんが、そんなことを経験してきた感覚からすると、ボーナスというものは本当に理解できないなと思ってしまうのです。もちろん、組織が大きくなればなるほど、自分の貢献をお金に換算して実感するというのは難しくなっていくのかもしれません。ですが、だからといって考えないというのはやはりおかしいと思うのです。

IT業界にとって、新卒学生たちはどうしていくべきかというのはいろいろと聞きます。大企業に内定をもらっていくのがいいのか、それとも小さなスタートアップで、もしくは自分たちで起業して一から学んでいくべきか。

昔の私は先程のような考え・経験を持っていたからこそ、今まではそれこそ(最初は小さなところから地道に経験していくこと)が正しいと思っていましたが、もちろん今はそれが全てだとは思いません。未だに私が比べて勝ることができないなと思うのは、いわゆる研究職の方々です。研究職と言っても別に大学に通っているだとか務めているという人だけでなく、企業にもそういう方々はいると思います。なので、そういった素質・才能を持っている方に関しては何もアドバイスできないです。ただただ、自分が思うとおりに一番いいと思う環境で続けて欲しいと思うだけです。

数年経って、改めて自分自身で売上も成果も評価も作っていかなければならない立場になって、ずっと持ってきたそんなことをすごく大切に思っているのです。 一つだけ忘れずに大切にすべきことは、常に長期的な視点を持つことだと思います。若いころに仕事を辞めた時も新しい会社に入った時も10年後自分はどうなるのか、どうなっているべきなのかを常に掲げながらいたように思います。目の前のことだけではなく如何に長く遠い目で見渡していられるチカラを持てるかが重要なんだと思うのです。一時のことに振り回されないように、強く穏やかに。