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ちょっと前にいるひと

日記

高校受験のとき、私のいた中学のクラスは本当に良いクラスでした。みんなそれぞれが自分と同じか、それよりちょっと前にいるひとといつも競い合っていて、良いライバルであり良い友だちでありました。

私たちはお昼休みになると担任の先生の机の周りに集まって、みんなでやれ問題をだせなどと言っていたわけです。だんだんと早押し問題みたいになってきて、最後には問題をちょっと言いかけたところで答え始めてしまうくらいで。先生も嫌になるくらいみんな切磋琢磨していました。

ライバルはたくさんいてもやはり得意・不得意があるもので、みんなそれぞれ他の誰かが自分よりちょっと前にいて、なんとか追い越してやろうと、そういう雰囲気でした。そのおかげもあって私も良い進学校に進めましたし、みんなもそうでした。それが関係しているのかどうなのか、次の年に先生は昇進してちょっと偉くなっていました。先生はなんだかそういう雰囲気を作るのが上手い人だったように思います。勉強以外にもいろいろ教わりました。



前職では社内にモノを作る人はほとんど私一人でした。もちろんデザインやエンジニアリングだけでものが出来上がるわけではないので、そういう意味では一人ではありませんでしたが。でも社内で私と同じ仕事をしている人は誰もいませんでした。

だからできるだけ外に出て、少しでもより良いものを自分の中に取り込もうと一心不乱に過ごしていました。そんなときに出会ったのは一緒に仕事をすることになったエンジニアの先輩でしたが、その人との出会いは今の自分にとって本当に大切なことだったように思います。

私はデザイナでしたが前職ではエンジニアみたいな仕事もしていたので、エンジニアリングの部分ではすべてが勉強になりました。けれども、それ以外のことのほうが私にとっては大きかったように思います。
プライベートでも一緒にバーベキューをしたり温泉に行ったり卓球をしたり付き合ってくださって、お酒を飲んでいろいろと語ったこともありました。

私はその人から生き方や考え方もいろいろと教わったように思います。いつもちょっと前にいる存在で、なんとか追いついて追い越そうと進むんだけれど、やっぱりいつもちょっと前にいるのです。「ちょっと前」なんていうと「ちょっとどころじゃないだろう」と怒られそうな気もしますが。

その人と出会っていなかったら、今の仕事はしていなかっただろうし、生き方や考え方もきっと全く違ったものになっていただろうと思います。最近になってその人が起業したという話を聞いて、今でもやっぱりちょっと前にいるひとなんだなぁと嬉しく思うとともに、また前に進まなきゃいけないなという気持ちになれました。



人生でもなんでも、自分よりちょっと前にいるひとを見つけることが一番の近道な気がしています。こんな風に言うと「ライフハック」といった軽率なラベルでくくられてしまいそうで少し嫌なのですが、それでも今までを振り返ってそんなふうに思うのです。

私なんていう人間は甘っちょろくて、自分勝手でまだまだ誰かのお手本になれるような人間ではないです。でもいつかは誰かのちょっと前にいるひとになれるよう、私のちょっと前にいるひとのように精進していきたいと思います。