本は10冊同時に読め!読了

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photo by Brittany Stevens

ここ最近は家に帰れば料理をするか、本を読むかというような生活です。
というのも海外への長期出張で娯楽といえば、その街を歩くこと、食べること、本を読むことくらいしかないのです。
来てまもなくは見るものすべてが新鮮で飽きることもないですが、1ヶ月も同じ所に住んで生活していれば慣れるというものです。
そうなると、少し遠出をするか毎日の食事を楽しみにするという具合になるのですが、料理・食事以外でテレビもインターネットもない家では読書が唯一の楽しみになるのです。

出張で過ごしたところはどこも日本のようにジメジメせずに暑くなく大変過ごしやすいので(たまたま過ごしやすい季節に行ったということもあると思う)、読書には持って来いな環境です。
大概、少しの酒とつまみをつつきながら本を読んで、眠くなってきたら寝るというような毎日です。スペインにいる今も、外で波の音を聴きながらワインと生ハムをつまみつつ、本も読み終えたし一つブログでも書こうという具合でこれを書いているわけです。

本はというと、今は便利なものでkindleで好きな本をどこでもいつでも買えて、持ち運びも楽に読めるので良いですね。
社会人になったばかりの頃は毎月すごい量の本を買って読んでいましたが、置き場所や処分に困ったのもあって、実家を離れてからはあまり読まなくなっていました。
1,2年前に「そろそろか!」と思いkindleを買ったわけですが、今では「この本読みたいからkindleで出して欲しい。同じ価格でも良いから」と思うほどkindleに頼りきりです。

今回読んだ本はタイトルもいかにも自己啓発本といったような言い回しで、それでいて本文中では「そういうものは読むな!」といった内容を展開しているわけですから終始いとをかしとニヤニヤしながら読んでおりました。昔何かで読んだ本に「すべてに疑問を持つ姿勢を持て。この本すらすぐに受け入れるな」と書いているものがあったのを思い出しました。
もちろん本の内容自体はそれ以外にも著者の本に対する思いや経験、考えなどが書かれていたので、最近になって再び本をよく読むようになった私にはサラッと読めて面白い内容でした。

実を言うと私は地頭があまりいい方ではない(頭の回転が遅い・特に言語処理能力が弱い)人間だと思っております。これも子供の時にあまり本を読んでいなかったからなのかなと今となっては思います。親が少しは気を使って、歴史マンガなどのような教養のあるマンガを買ってきて私もそれを読んでおりましたが、それでも本を読むのとマンガを読むのとでは大きく違いがあるように思います。本書でも書いてあるように、本は活字からイメージしたり考えたりする力を養うものだと思います。本来イメージしたり考えたりする部分をマンガでは絵を入れて丁寧に解説してしまうので、どうしても考える力が本より身につかないような気がします。同じように最近のテレビのバラエティ番組はタレントの発言の重要な部分を丁寧に文字にして字幕まで表示しているのだから考える必要もないし、考える力は身につかないように思います。

初めて夢中になって自ら買って読んでいた本といえば、中学生の時に読んでいた妹尾河童さんの「少年H」です。著者の戦時中の体験を元に書かれた本ですが、適度に脚色された出来事に加えて現実として想像できるような戦時中の体験や生活を子供ながらに感慨深く受け止めたのを覚えています。それからしばらくはずっと妹尾河童さんの本で旅行記などのエッセイを読んだりしていました。
おそらくそれからというもの私はエッセイなどの現実を舞台とした本を好むようになったのだと思います。もともとファンタジーのような本やそうでなくても現実ではなく誰かが考えたような本は、どうせつくり話だろうとかかって読んでしまって面白く読めないようなものでした。そんな中で本当にあったことをその時感じた気持ちで書かれていたエッセイは幼いながら衝撃に感じたのだと思います。
今では少しは物語を読むのも楽しめるようにはなってきたと思いますが、やっぱりエッセイの方が気持ちを入れて読めるのに変わりありません。唯一一心不乱に読むことができたフィクション小説をあげるとしたら東野圭吾さんの「秘密」をあげることができます。これはドラマ化もされて何となく内容を知ったうえで読んでいたのですが、そでれも主人公と自分を重ね合わせて、その複雑な気持ちを追体験しながら一気に結末まで読んだのを覚えています。

話を戻して、本を10冊同時に読むことがはたして良いことかどうかはよくわかりませんが、本を読むことは良いことのように私は思います。
本書では自分のためになると思う本だけに選り好みせず、少しでも興味のある本はかたっぱしから読みなさいと説いているので、少しはそれに習ってみようと思っております。
また著者のおすすめの本も何冊か紹介されており、私にとっても興味のある本が何冊か紹介されていたので、まずはそのあたりをどんどん読んでいこうと思うのです。

個人的にはそれらがすべてkindleで買えると嬉しいのですが。