連載|世紀末


「あれ?あの漢字ってあれであってたっけ?」

そう思っておもむろにタイピングして変換して確かめることがある。

文字を書くことよりもタイプすることの方が増えてしまった結果、日本人は漢字を忘れつつあるのだ。

 

そしてそこに新たな波が訪れようとしている。

人間は不躾な質問をする機械となり、それらしく与えられた情報に満足するモノになった。

旧時代の遺物はコスパという3文字とともに葬り去られ、自分の目の前の欲求を満たしてくれる電気信号に飼い慣らされていく。

 

これからの10年で人間の読解力と作文能力は著しく低下し、外部刺激に反応して機嫌を示すだけの機械になってしまうんじゃないか。

そんな世紀末を描いた人間もいたらしいぞ。