視野を広げることと、何かにフォーカスすることは別のこと

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photo by CJ Isherwood



「あれこれやらずに何かにフォーカスすることが重要だ」などということが言われますが、たしかにそれは大切なことのように思えます。
しかし、何も知らない(それしか知らない)状態でそれだけにフォーカスして取り組もうというのは、フォーカスしているとは言わないのではないか、と思います。


できるだけ広い視点・スコープで物事を見た時に少しづつ階層を落としていって、考えたものに対してフォーカスするというのが本当の「フォーカスする」ということではないかと。
そういう意味で、何かにフォーカスしていると同時に常に視野を広げ続けるということは、相反する者のように見えて実は別物でものすごく大切なことのように思えます。


最も良い姿勢として、何かにフォーカスするというのは具体的な何かに対してフォーカスするのではなく、「目的・最終的な解決に対してフォーカスする」というのがより正しいのではないかと思います。なぜなら、世の中は常に変化し続けているのでフォーカスすることに対する最良のアプローチというのは常に変わっているのだと思うのです。


takramさんの本(『takram design engineering|デザイン・イノベーションの振り子』 (現代建築家コンセプト・シリーズ18))には3つの考え方が書いてあり「プロトタイピング」「ストーリー・ウィーヴィング」「プロブレム・リフレーミング」の中の「プロブレム・リフレーミング」がまさに視野を広げる、もっともっとメタな視点から事物・問題を観察するということだと思います。

『takram design engineering|デザイン・イノベーションの振り子』 (現代建築家コンセプト・シリーズ18)

『takram design engineering|デザイン・イノベーションの振り子』 (現代建築家コンセプト・シリーズ18)