スマートホーム×DIY 実践と展望 〜 3. スマートスピーカーの設置と運用

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引っ越して2ヶ月ほどの新しい自宅で試したDIYやスマートホーム関連のIoTデバイスなどを実践して試したことについて4回にわたって書いていこうと思います。

INDEX

  1. 賃貸DIYでつくる住みよい部屋
  2. 実践HomeKitの暮らし
  3. スマートスピーカーの設置と運用 ← 今回
  4. スマートスピーカーへの展望とデザイン

スマートスピーカーの設置と運用

我が家ではスマートスピーカーの中でも、Amazon Echo DotとGoogle Home Miniを設置して運用しています。

正直そこまで使い込んでいるわけではないので、マイナーなおすすめスキルを紹介するような事はできませんが、私が実際の生活の中で利用するシーンや普段の暮らしにどのように溶け込ませているのかなど、私の趣向的な感想も踏まえながら書いていこうと思います。

Amazon Echo DotとGoogle Home Mini

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スマートスピーカーAmazon Echo DotとGoogle Home Miniの他にもLINEのClovaや、まだ発売されていませんがAppleのHomePodなどが日本ではメジャーな製品かなぁと思います。

それぞれ対応しているアプリなどのサードパーティ・スキルが微妙に違っていたりしますが、基本的なスキルはだいたい備えている感じじゃないかなと思います。

基本的なスキルで私がよく使うのはこんな感じでしょうか。

  • 現在時刻をきく
  • 今日の天気をきく
  • タイマーをセットする
  • 音楽・ラジオを流す
  • ニュースをきく
  • スマートホーム関連の操作をする(照明やテレビを点ける・消すなど)

これらに関しては日常でも頻繁に使うもので割りと便利になっている気がします。

時間や天気なんかは朝の支度をしたり、林檎の皮を剥いているときなんかでも、声だけで聞いて答えてくれるので便利です。

スマートスピーカーへの呼びかけ方は何が良いのか?

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Amazonは「アレクサ」、Googleは「OK, Google(ねぇグーグル)」、Appleは「Hey Siri」と呼びかけますが、個人的にはAmazonの「アレクサ」がいちばん好きです。

理由としては1単語なのでその後の命令文まで一息で自然と言えるからです。

時刻を聞きたい場合は「アレクサ 今何時?」と一息でいえます。

Googleの場合は「OK, Google、今何時?」と感覚的には2文になってしまう感覚がどうしてもあります。(もちろん一気に言おうと思えば言えるのですが、なんか感覚的にだるい感じ。個人の感想です)

Appleの場合も同様で「Hey Siri、今何時?」と2文になる感覚です。

だから「アレクサ」は呼びかけやすく、わたしの場合大体のお願いはAlexaにお願いしています。

これは結構重要な事だと思っていて、スマートフォンアプリでもアクション回数をできるかぎり減らすことが良いとされているのと同じように音声でも呼びかけ方や言葉足らずでも文脈で答えるという風にしていくのが正しい未来なんじゃないかなぁと。

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Alexaは呼びかけやすいぶん、人同士の会話の中ででてきた「アレクサ」という言葉にも反応してしまうことがありますが、個人的にはそれは可愛いものだと思っていて、ここから人の会話の文脈を理解してくれたりイントネーションから聞き分けてくれるように学習していってくれたらいいなぁと子どもの成長を見守る感じです。

スマートスピーカーで音楽を聴く

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正直スマートスピーカーで音楽を聴く場合は、ちゃんと音楽を聴くというよりはBGM的な感覚なのでちゃんとしたスピーカーである必要はそこまでないかなぁと思っています。(なのでEcho DotやGoogle Home Miniで十分かなぁと)

私の場合ちゃんと聞きたい場合は別途すでに持っているスピーカーで聞きたいということもあるので、その点でもAmazon Echo Dotはオーディオ外部にアウトプットできるポートやBluetoothの設定ができるので優れているなぁと感じます。(Google Homeにはありません)

Music Serviceに関してはAmazonの場合、「Amason Music」「tunein」「dヒッツ」「うたパス」辺りが対応しています。

Amazon echo dotを買う人はみんなプライム会員に入っているだろうから「Amazon Music」のPrime Musicを雑に流す感じなら十分かなぁと思います。

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Googleの方はSpotifyにも対応していて、そちらに課金しているなら便利だと思います。またGoogle Play Musicでは自分のiTunes Libraryを同期してアップロードしておくこともできるので、そうすると自分のライブラリの曲を全部流すことができるようになるので、そこは良いなぁと思います。

Amazonの方でもAmazon Music Storage Subscriptionsというサービスを提供していましたが、最近になってサブスクリプションプランを廃止するという発表を行っています。なので、自分のLibraryの音楽を聴きたい場合にはGoogle Homeになると思います。(おそらくAppleのHomePodでも可能になると思いますが)

自分のLibraryの音楽を流す場合は、曲名か歌手名かプレイリスト名などが有効で「Coldplayを流して」というと適当に流してくれます。

おもしろいのはGoogleに「ラジオを流して」というと私のMusic Libraryに入っているJudy And Maryの曲の「Radio」を流してしまうところです。(いや、あってるんだけどねぇ…)

ラジオはAmazonGoogleradikoに対応していて(Amazon Echoの場合はradikoのスキルを有効にする必要があります)、適当にラジオ局名を伝えれば流してくれるのでBGMには良いですね。

Google Homeの場合は「OK, Google {ラジオ局名}を流して」でできますが、Amazon Echoの場合は「Alexa radikoで{ラジオ局名}を流して」と言わないといけないので、このへんはGoogleの方が良いと感じます。

ただし、開発者的な目線で言うと、Googleのような場合には音声操作時のネームスペース的な問題や争奪みたいなことが起こりそうだなぁとも感じますが。

音声でのスマートホーム関連の操作

明かりを点けたり・消したり、テレビやエアコンなどを点けたり・消したりといった簡単なアクションであれば音声で操作できると非常に便利です。

テレビなんかは見ようと思っているときはチャンネルなどいろいろと操作をするのでリモコンの方がいいですが、消そうと思ったときには雑に「消して」と言って消してくれるのは便利です。(消したいときにはリモコンがどこかにいってるなんてことはよくあるある)

ただ各部屋の照明のオン・オフなんかを気軽に音声でやろうと思ったら各部屋にスマートスピーカーを置いたりして、あとはどの部屋にいるかを覚えさせて「電気つけて・消して」くらいでオン・オフできるのが理想ですね。そうなってくると…という未来(想像)の話はまた次回にしようと思います。

スマートスピーカーは天井に設置する

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スマートスピーカーを買ってしばらくは作業机の隅に置いていましたが、電源も専有されるし配線も邪魔だし、あと割りと部屋の隅の方になってしまうので同じ部屋の中でも命令を聞いてもらえなかったりという事がありました。

ということで私としては部屋の中心の天井に設置するのがベストだと考えています。

実際に我が家では天井に設置して運用していて、BGMを流すといい感じに部屋全体に音楽が降ってくる感じになり、部屋と対話している感覚が増すので良いですよ。

私が天井に設置するにあたってどのように行ったのかを書いていこうと思います。

ダクトレールから電源確保のプロトタイプ

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DIYの記事でも書いたように今回IoT系のデバイスなどを試していくにあたって我が家では全部屋にダクトレールを設置しています。スマートスピーカーもそこから電源を確保して動作するようにできます。

ということで、まずは雑なプロトタイピングとしてダクトレールに付けられるコンセントとUSBハブ充電器をダクトレールの上に設置して、そこからスマートスピーカーに給電するようにしてみました。

スマートスピーカー自体は両面テープなどでダクトレールに直接固定してまずは簡単に天井に設置するというのを試してみた感じです。

実際に使ってみてすごく良かったので、ココからもっとスマートにしていく方法について検討していきました。

ダクトレールに取り付けられるUSB充電アダプタの開発

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ダクトレールからUSBハブ充電器を介してというやり方ではどうしても配線が綺麗にできなくなてしまうので、ダクトレールから直接スマートスピーカーに給電したいところです。

ダクトレール関連のアクセサリで市販されているものはほとんど種類がなく、私が探したところでは照明用のプラグとコンセントプラグとフックが取り付けられるもの、複数のダクトレールをジョイントできるものくらいかなぁと思います。

そこでダクトレールに取り付けられるUSB充電アダプタを自分で作ることにしました。

といっても一からすべて作るのは大変なので、既存の製品をうまく組み合わせて作ります。

用意する材料はシンプルで「100円均一で売られているUSB充電アダプタ(200円だったけど)」と「ダクトレールに取り付けられるコンセント」です。

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ざっくり説明するとUSB充電アダプタの中身を取り出して、ダクトレールに取り付けられるコンセントの中に無理やり押し込むっていう感じです。

私が購入した「ダクトレールに取り付けられるコンセント」はパナソニックの抜け止めコンセント プラグ 黒 DH8530というものでギリギリUSB充電アダプタの中身が押し込められるかなという感じです。

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ただし、コンセント プラグの中身をかなり丁寧にくり抜く必要があります。本当にギリギリのサイズなので、外枠のケースとなる部分とネジ止めする所以外はすべて綺麗にくり抜いたりして取り除きました。(具体的にはニッパーやヤスリでひたすら削っていく作業)

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あとはUSBポートのところ(側面)に穴を開けてUSBケーブルをさせるようにし、USB充電アダプタの中身とダクトレールに取り付けられるコンセントの金具をはんだ付けして配線すれば出来上がりです。

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これで電源の確保はできますが、スマートスピーカー本体を固定するモノを用意する必要があります。いろいろと探していた結果、スマートスピーカーを壁掛けにする器具を作っている人のブログを見つけました。(お世話になります。ありがとうございます)

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kitto-yakudatsu.com

しかもDMM.makeのクリエイターズマーケットに出品しているということで、本体の固定にはこれに期待して注文しました。

実際に天井固定用にも使用できるか試してみましたが、現状だと天井に固定するのは難しそうな感じがしました。(壁掛け用に作ってるから仕方ないですね)

軽量化するためにできるだけ壁との接地面は薄くしてあり、DMM.makeで注文できる材質(ナイロン)では柔らかく弱すぎるためホールド力が足りずちょっとしたはずみで落ちてきてしまいます…

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なので仕方なくオシャレマスキングテープで補強するカタチにしています。(もっと見た目のいい感じにしたい!!)

ケーブルも短めのやつで接続してかなりスマートにダクトレールに取り付けられるようになりました。動作も問題ないです。

まだまだ荒削りなところもあるので、今はもっときちんとしたモノにできるように3D CADソフト×3Dプリンタで専用のプラグを作れないか試行錯誤中です。

スマートスピーカーはスマートホームの一部

スマートスピーカーはスマートホームにするためのインターフェースの一つなので、スピーカーというモノとして存在しているというよりは、家と一体化したほうが良いなぁと感じていたので、天井に設置することでそれに少し近づけたんじゃないかと思います。

今はスマートフォンによって人間各々が一つのディスプレイなどを持ち歩きデジタルに触れる時代ですが、次には人間各々が空間上に自分のための情報を表示できる端末を持つ時代になり、その先は人間各々は何も持たずに空間・環境が各人々に情報を届けるために空間上にデジタル情報を届ける時代になっていくと考えています。

空間・環境が各人々に情報を届けるというのを世界中でやるのは困難ですが、家の中という風に空間を制限してしまえばそれに近い世界はすでに実現可能です。そういう意味でもスマートホームやそれに関する技術は今後注目され一般化されていく未来の姿に手っ取り早く近づけるものだと私は思っています。

最後の記事ではスマートスピーカーやスマートホームに対する私個人的な展望を踏まえながらデザインなどについても書いていこうと思います。

ちなみに最近のお仕事ではHomekitなどのスマートホーム関連, AppleTVなどのTV向けAppやARKitなどのAR関連といった内容に関するお仕事をしていますので、よろしければご相談いただければと思います。 Spinners Inc.

Amazon Echo Dot (Newモデル)、ブラック

Amazon Echo Dot (Newモデル)、ブラック