連載|The guild in this World
デジタル技術やインターネットを中心とした情報網の発達やコミュニケーションの多様化といった第三次産業革命は、今真っ只中であり、誰もそれの行き着く答えを知らない。歴史的な事件や出来事というのは往々にして過去のものにラベリングされるのが常である。
情報というものにはいろいろな側面があるが、一つの特性として物理的な実態性を伴わずに別のモノ・ヒト・コトと相互にインタラクションできるという性質を持っているように思う。
これはある種の未来の予見を手助けするものであり、簡単に言えば「現在冷蔵庫には牛乳が1本半あり、現在の消費ペースで行けば3日後にはなくなる」といったような情報データによって、未来にすることになる予定や計画を実行しやすくすると言うと分かりやすいかもしれない。
情報によって地理的・物理的に離れた場所での生産活動が可能になり、昨今のパンデミックも含めた社会事情でそれはさらに一般化されていった。
かつて人は近所などの身近な人で助け合って生きていくことが当たり前だったが、今は情報が通信できる世界中にその可能性ができたとも言えるのだ。
これは同時に比べる・比べられる対象が近所から世界に広がったことでもあり、それにより恩恵も、または損害になりうることも十分にあるかもしれない。
今情報革命に新たな軸に躍り出ようとせん技術にブロックチェーンがある。ブロックチェーンには今までWebや情報サービスを作り上げてきた知見やアイディアが最大限に注がれている。
ブロックチェーンがインパクトを与えたこととしては、分散化された仕組みによって「価値とは何か?信用とはなにか?」ということを改めて人々に突きつけたことだろう。
フェイクニュースに踊らされる人々や、パンデミックによる孤独やつながり、それ以上のことを考えさせられる今の世の中に、まるで呼吸を合わせるかのようにブロックチェーンが成長しているのはおそらく偶然ではないだろう。
ブロックチェーンの1つのキーワードにComposability(構成可能性)という言葉があるが、これはまさに今の時代を象徴し未来を行動していくためのキーワードだと思う。
この膨大な世界を1つのモノ・ヒト・コトでコントロールすることはどう考えたって無理であり、世界中から集めたパズルピースを組み合わせるようにして作り上げていくのが今の世の中なのだ。
それらパズルピースは世界中に色・カタチが無限に存在し、誰もがより良いピースを探し、はめ込んでみたり、場合によっては交換したりする。
つまり我々はパズルピースとして力強く生きていかなければいけない世界にいる。 単にどこのピースにでも当てはめられるインターフェイスを極めたカタチというだけでは、もっと魅力的な色のピースにとって変えられてしまうかもしれない。色とカタチの両方を同時に求められている。
さらに、それらピースの情報は情報技術によって瞬時に表に並べられ、検索され、比べられるという状態だ。
これは単に世の中は弱肉強食だと言いたいわけではなく、今までもずっと効率的な生産性を考えた先にはComposabilityが存在していたことを、情報技術が世界という大舞台の規模で叩きつけているということなのだ。
この世の全てのモノ・ヒト・コトは使う存在であると同時に使われる存在でもあるということを胸に、我々はComposabilityのある社会と生き続けなければならないだろう。
それが全て 気が狂うほど まともな日常