連載|中華屋の隣の猫
いつものように出社し、毎週お決まりの小さな中華屋でランチをした。
最近は数年前よりも人気があって、平日のお昼時には外で少しちょっと待つくらいの繁盛ぶりだ。
永い永い冬がようやっと明けようとしているのか、少し日差しが暖かい。
中華屋の隣の空き地のような駐車場のような場所には、よく猫がいる。
野良猫なのか、あるいはどこかの家猫なのか、定かではない。
今日も一匹、若干太り気味の三毛猫が、我が物顔で歩いてはさっそうと通りを渡って駆けていく。
中華屋の隣に佇む私の手元には、インターネットという空き地のような都会の喧騒のような小学生の教室のような場所がある。
あいつは悪いだの、私はどうだの、見て見てだの。
そんなことより私は、あの三毛猫の少しムッとしたような顔の先に見つめている世界が気になっているのだ。