習慣化の実践と考察
こんにちは、Spinnersの元山@kudakurageです。
今回は普段から色々と考えながら試し続けてきた、(世間一般では)習慣化と言われることについて書いてみようと思います。 あくまで自分なりに考え、自分のスタイルに合わせて工夫してきた考えなので、一般的な考え方(がどういうものか知りませんけれど)とは違ってくるかもしれません。 今まで実践し考えてきた記録として、振り返られるように書いておきます。
現状得られている最適解のための方針
- 大方針
- 「とにかく継続する」
- 基本方針
- 「がんばらない」
- 「普段の生活の中に組み込む」
これは、現状私が考えている習慣化のためのコツのようなものです。 詳しくは順次理由などを書いていきますが、習慣化するための一番の方針は「とにかく継続する」こととしています。
習慣化によって期待できる(期待している)効果は「継続は力なり」「塵も積もれば山となる」といった言葉にもあるような、コツコツと小さく続けることによって、より良い結果を得ることです。
その上で一番重要なことは何よりも継続することです。どんなに些細であっても、継続することによって積み上げられているのであれば真であると考えています。
また、継続することは自信に繋がります。自信はさらなる継続を強固なものにし、自分が今後チャレンジしていくためのベースにもなります。つまり、継続は自信を生み、自信によって継続が生み出されるループが生まれることが重要だと考えています。
目標はあってもなくても良い状態を目指す
目標(ゴール設定)はモチベーションを高める動機づけとして、重要な要素であることは確かです。 しかし、目標によるモチベーションのみに頼ってしまうと、そこからモチベーションが得られなくなってしまったときに必ず失敗します。
これはゴールをクリアした瞬間からモチベーションが得られなくなってしまうという危険性にも関連しています。それを防ぐために、目標をクリアした瞬間に次の目標を立てる、目標を立てるときに段階的なステップを作る(長期目標と中期・短期目標を複数立てておくなど)といった事も考えられるでしょう。 そしてこれらの解決案は確かに大切なことのように思えます。いや、実際に何かを成し遂げたいと考えるのであれば正しい戦略であると思います。
とはいえ、最適な目標の設定ほど難しいものはないというのが、私の経験から感じるところです。 そこに時間や意識を費やすコストが大きくなると「がんばる」必要性がでてきてしまうからです。これは私の基本的な方針に反します。 これらのことから、目標をモチベーションの源泉にすることは基本的にしないようにします。
もちろん意識的なトレーニングの場合は別です。課題を設定してそれに向けて取り組む姿勢であるほうが、短期的にはうまくいくでしょうし、飛躍的な成果が得られる可能性も高くなると思います。とは言え、それはすでに習慣化とはよべないのでは?とも思います。歯磨きのために課題を設定して頑張っている人が大多数だとは到底思えませんですし。 つまり、究極的には「やったほうが良さそうだからやっている」くらいになると習慣化されていると呼べると考えています。
目標とは違い指標はある程度大事にしても良いと思っています。これは自分の状態を常に知っておくという意味で重要だと思うからです。 とはいえ、指標に対して神経質になり、結果に常に神経質になるようなものであってはいけません。 指標はあくまで基準くらいのものとしてみておき、意識してコミットする対象ではありません。
ひとりでできる状態を目指す
他人からのフィードバックをモチベーションにすることは、継続を不安定にさせる可能性があります。
目標についても書いたとおり、モチベーションを駆動とした習慣化に取り組もうとした場合には、常にモチベーションを維持し続けなければならないという別の問題が発生してしまいます。ましてや不確定的な第三者の関与に頼ることは、長期的に継続するという点を見てもリスクになりえます。
究極的にはどんなモチベーションも必要なく、ひとりで継続していける状態が最も望ましいと考えています。
そもそも習慣にするとはどういうことか
習慣化というと、継続によってすごい成果を上げたなどと言った美談と関連付けられて話されることもあると思いますが、「すごいこと(目標)を成し遂げるための習慣化」というのは私の考えにあっていません。 そもそも習慣とは何なのか?Wikipediaを引用すると次のように書かれています。
- 日常の決まりきった行いのこと。
- 長い間そうすることによって、そうすることがあたかもきまりのようになったこと。
- (心理学用語)反復によって習得し、少ない心的努力で繰り返せる、固定した行動のこと。
当たり前ですが、そもそも習慣に目標はありません。「そうすることが当たり前のようになったこと」だからです。
私の理想の状態としては「習慣化によって気づいたらできるようになっていた」です。つまり、目標のために習慣化するのではなく、習慣化したことで結果的にこうなっていましたという状態を常に継続することが最も望ましいと考えています。 これが先程も書いた「やったほうが良さそうだからやっている」くらいが良いと言う理由です。
基本方針1「がんばらない」
習慣化する上で私が最も重要視することは、どんな形であれ「とにかく継続する」ことです。 何かを続けようと思って始めたことが続かない理由として最も大きいのが「がんばりすぎてしまう」ことだと考えています。特に最もモチベーションの高い、最初の段階で頑張りすぎてしまうことが一番良くないパターンです。
最初に関わらずモチベーションが高いときに頑張るのは悪くないのでは?と思うかもしれませんが、私はよくないことだと考えます。 その理由としては「がんばりすぎる」というのは自然と自分でハードルをあげている結果になるからです。
人のモチベーションは常に変化しますし、体調が良いときも悪いときもあるでしょう。そんなときに、習慣化しようと思っていることをやろうとすると、最初のがんばりほどは頑張れないかも…と心理的に息詰まるきっかけになってしまう恐れがあるからです。
つまり「とにかく継続する」ために「がんばらない」(おそろしくハードルを下げる)ことは重要です。 たとえがんばっていなくても、継続しているとそれは少しづつ慣れという力がついてきます。そうなってきたら頑張らない範囲でほんの少しづつやることを増やすなりしていけば良いのです。
「がんばらない」コツとしては、「かんたんである」ということの他に「短時間でおわる」ことが重要です。 あまり時間を意識してやる必要はないですが5分〜15分くらいで終わる量が理想で、長くても30分くらい(いきなり30分やらずに随分と慣れてきたら)で終えるのが継続し続けられる心を保っていられると感じています。
基本方針2「普段の生活の中に組み込む」
モチベーションに頼らない継続の方法として、それを行うトリガーを設定しておくことが重要です。 先程も書いたとおり、モチベーション駆動の場合には、モチベーションが低いとき(もしくは低くなり続けたとき)に継続できなくなるという恐れがあります。それに、今日はやるのかやらないのかと考える事自体が心的なハードルになりかねます。
そのため、自分がやりたいかどうかに関わらず必ずやることとして、それを行うトリガーを自分の外部においておくと良いと思います。 これはつまり、普段の生活ですでに習慣となっていることに対して追加していくという方法です。
追加する方法はだいたい2パターンだと思っていて、「1:普段の習慣とともにながら作業をする」と「2:普段の習慣からの流れで行う」。 言い換えると1は「〇〇をしているときは必ず〇〇をする(ながらトリガー)」というトリガーであり、2は「〇〇をしたあとは必ず〇〇をする(したらトリガー)」というトリガーになります。
例えば、「歯磨きをしている間は新しい英単語を覚える」だとか「職場からの帰り道は走って帰る」というのは1のながらトリガーで、「昼休みの昼食を食べ終わって余った時間を読書に当てる」だとか「犬の散歩から帰ってきたらスクワットをする」というのは2のしたらトリガーになります。
このときの注意点として、「朝起きたら〜」や「夜寝る前に〜」といった習慣というよりは曖昧になりがちなトリガーはおすすめしません。トリガー自体が曖昧になりがちなのでそれにプラスする習慣化したいこともやったりやらなかったりとあやふやにしてしまいがちだからです。
また、トリガーは必ずしも毎日行っていることでなくても良いと考えています。 例えば「職場からの帰り道は走って帰る」なら、毎日職場に行っているわけではないので、職場に行っていない日はやらなければいいのです。 必ずトリガーを駆動としてやるということだけを決めておけば、やるやらないを考えずに生活の流れとして組み込まれていくようになります。
個人的にはこの「考える余地をなくし、流れをつくる」ということが重要なのだと感じています。
習慣化の失敗例・成功例
今まで試してきた主な成功例と失敗例をあげてみようと思います。
【成功】お風呂に入る前に体重を測る
これは「したらトリガー」とは違い、「〇〇の前に〇〇する」というトリガーにも見えます。基本的に「〇〇の前に〇〇する」というのはトリガーになりえません。
習慣化されていることの前に付け加えようとした場合、やることを忘れてしまったりで、いつもの流れというのが作りにくいからです。
しかし、今回の場合は正確には「したらトリガー」にすることができます。 お風呂に入る前に必ず服を脱ぐので、正確には「お風呂に入る前に服を脱いだら体重を測る」となるからです。
【失敗】(毎週◯曜日の)帰宅後にランニングする
帰宅後に〇〇するというトリガーはそこまで悪くはありませんが、「ランニング」というタスクが重すぎたこともあって、長期的な継続は難しかったです。
もちろん目標をもってトレーニングとしてやっていたときは続いていたのですが、習慣化できたというところまではいっていません。
これを改善していくためには、習慣化したいことをやるまでの流れをよりスムーズにすることと、かんたんにしていくということを徹底する必要がありそうです。
【成功】全社朝会中に片足立ちスクワットをする
以前勤めていた会社では、毎朝みんなで集まってする朝会がありました。 その時わたしはスキューバ・ダイビングにハマっていたこともあって、脚力をもっとつけたいと考えていたこともあって、朝会中は後ろの方で話を聞きながら片足立ちをしゆっくりスクワットしていました。
今は退職したためトリガー自体がなくなってしまいましたが、このような第三者も絡む毎日あるような定例のイベントは、トリガーとして優れています。 自分の気持ちやモチベーションに関わらずやってくるものなので、それに合わせて別の習慣化したいことを加えていくのはうまくいきやすいです。
【失敗】◯時〜◯時は〇〇の勉強をする
先程も書いたとおり、時間を軸としたトリガーは曖昧になったり、モチベーションに左右されてしまうので習慣化のための方法としては不向きです。
もちろんトレーニングとしてやっていくという意味ではすごく立派なことですが、そのためには強いモチベーションを維持していく必要がある気がします。
【成功】昼食後、筋トレをする(条件付き)
そもそも食べた直後に筋トレをするのはどうなのか?というところもありますが、これは成功している例です。 といってもすべての昼食後ではありません。
私の会社では、平日はほとんど私が昼食のまかない(二人分)を作って用意しているのですが、片付けはもうひとりにやっていただいています(ありがとうございます)。 まかないを食べ終わったあと、テーブルを拭くなり掃除をして、その流れで筋トレをするというのが私の今の習慣です。
最初は腹筋ローラーを15回くらいで終わっていたのですが、少しづつ余裕が出てきては量を増やしていっており、今は腹筋ローラーを30回と通常の腹筋を50回やっています。
【失敗】(朝早く)出社したら本を読む
「出社したら」というのも状況によっては良いトリガーなのかもしれませんが、私のスタイルからすると不向きでした。 その日によって仕事の忙しさが変わったり、日によっては用事があったりしてしまうからです。
そのために朝早く出社するというのも、継続するにあたって難しいポイントです。 そもそも毎日朝早く起きている、読書自体が好きなどの要素もあれば問題なく続けられることなのかもしれません。
【成功?】気分転換の散歩中はつま先立ち歩きをする
これは最近やり始めて続けているのですが、ふくらはぎの筋肉を強化したいこともあり、仕事中などの気分転換の散歩中はつま先立ち歩きをするようにしています。
一種の「ながらトリガー」として機能しているような気もするのですが、そもそも気分転換の散歩自体が不定期なイベントなので習慣化とまでは言えないかもしれません。
しかし、毎日続けることに対してそこまで厳密にならなくてもよいのでは?とも最近は思っています。
まとめ
今回書いたことは他の誰かの意見や知識を参考にしたものではなく、すべて自分自身の経験から最適化させていった現状の結論です。そのため、今後また変化していく可能性は十分にありますが、当面はこの考えを軸に小さな仮説検証をしていくつもりです。 現状の考え方にも難しい部分や改善していきたいポイントはあるので、そのあたりは今後の課題として取り組んでいきたいです。