Webの創成 読了

ようやく読み終えた。全く本を読むスピードは遅いなぁ。
思ったことに関しては少しずつ書いていきます。


著者は言わずも知れた、現在のWebを作ったというティム・バナーズ=リーの本。


本はTimがwebを作り上げていく苦労話・そのとき考えていたことからwebができてその次にどのように展開していきたいかというような内容が書かれている。
特にめちゃめちゃ技術的な話はなくて、物語として非常に読みやすかった。でも、翻訳がおかしいのかたまーによくわからない表現も出てくる。
本を読むのが自分にはこういうのはつらいね。


webの始まりはそれを考えたティム・バーナーズ=リーより以前にもwebと同じような考えを持った人たちがいたことから始まる。
Vannevar Bush(ヴァネヴァー・ブッシュ)
Ted Nelson(テッド・ネルソン)
Doug Engelbart(ダグ・エンゲルバート)


今でこそ掲示板やSNS、もしくはJavascriptやPHPなどを使ったCMSなどでブラウザからのテキストの更新などが行えるが、webの創成時にはブラウザの機能としてエディットをつけることを考えていた。つまり誰もがweb上にある全てのファイルを閲覧することができ、編集することができるようにしようとしていた。


なんだか、当時から進んでいたのか今の自分が遅いのかっていうのを感じる…

しかし、エディット機能付きのブラウザは何度か挑戦するがうまくいかずに、結局webは現在あるように「ごく少数の人々が発信し、ほとんどの人は閲覧するのみのメディアとしてとらえられるような傾向」になってしまった。


開発時にwebが広まっていくきっかけになったのが今ではごく普通の「オープンソース」の考え方だ。当初、サーバを構築するソフトは少なかったし、もちろん対応しているOSも少なかった。webを広める為に完全に完成に至っていなくても無料で公開したことで、世界中のエンジニアによりマッシュアップされ、それとともに最初はTimがたてた1台だったサーバも徐々に増えていくことになる。


少し前にもはてぶに上がったりしていたほぼ日の適切な大きさの問題さえ生まれればでもそういうような話があったけど「オープンソース」は大事だね。


そして最後には、より効率的なWebを創造する為にセマンティックな(意味的構造を持つ)Webにしていく必要があると締めくくっている。


今でこそ良く聞くようになったが、Webの創造の当初からSemantic Webによって情報を効率化しようとしていたなんて自分はなんて表層しか歩いていないんだとつくづく感じてしまう。
HTMLは当初の考え通り誰でも書けるようにとてもシンプルな構造にしたというのもすごく良く分かる。実際、自分もHTML・CSSの習得には1ヶ月もかからなかった。

この本の最後にはXMLの可能性について熱く語る部分が多くなってくる。確かに、XMLは現在でも高レベルで活用されているし、SVGもXMLで記述されているし、Semantic Webに必要なものだとなっている。しかし、まだまだその利用価値は一部の人間にしか分かっていないというのがお偉い先生方のイメージらしい。


Webに関して学び始めた人に限らず、Webに携わる全ての人が読むことをおすすめしたい。これからWebがどの方向に向かっていこうとしているかをつかんでおくことはきっとこれからの創造に役立つと思うからだ。


ちなみに「webの創成」が書かれたのは1999年。