スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則(カーマイン・ガロ)読了
プレゼンテーションの極意、プレゼンテーションZen、ハイコンセプトと最近はプレゼンに関する本をよく読んでいるけれど、書かれている内容は重なってくるところが見えてくる(私の友人はそれが真理だという)。今回読んだスティーブ・ジョブス驚異のプレゼンも重なる部分はたくさんあったが、他の本とは違う部分も多くあった。
プレゼンテーションの極意ではなぜプレゼンを行うのか?どういった心構えでプレゼンをするのか?思考プロセスなどについて重視して書かれていた様に思う。
プレゼンテーションZenはスライドの作成方法を中心にどのようなコンテンツをプレゼンテーションに盛り込むべきか(もしくは省くべきか)といったことについて書かれていた様に思う。
今回の本で他にはない特徴が3つある。
1つ目は、思考方やスライドのテクニックだけでなく演出方法や話し方、練習方法までについて細かく書かれているところだ。
プレゼン=スライドと頭では思っていなくても、実際はそうなっている人はすごく多い。9割ぐらいの人はそうなのじゃないかと思う。そうなっていない人でも眈々と粛々と進めて行く様なプレゼンは企業にすごく多い。スライドは綺麗にまとめられていても、肝心のプレゼンターからは気持ちが感じられないのだ(企業のプレゼンはそうだったりする)。
スライドが製品の良さを熱く語ってくれる訳ではないのだ。カタチだけの発表はプレゼンテーションではない(私が見てきたモノはことごとくプレゼンではなく発表だったというなら納得できるのだけれど)。そこで重要なのはプレゼンターの身振りやパフォーマンス、口調、演出でいかに相手の気持ちにアプローチするかが鍵となってくる。
2つ目は、実際に行われたプレゼンテーションに基づいたデータと照らし合わせながら解説している点だ。これは非常に納得できるし、どのように取り入れて行けばいいかという参考になりやすい。
そして3つ目に、参考の対象とするのがスティーブ・ジョブスだというところだ。これは個人的な意見だけれど、とても興味のある人物について書かれている本でもあるので、読んでいて楽しい。実際のプレゼンテーションも何度か見ているので(生ではないですが)それを思い出しながら読んでいるけれど、一気に読めてしまう。
これらのことが今まで読んだ本とは違っていたところだ。
そして読み終わって見て一つとても面白いことに気がついた。本書を読んだ後のAppleのプレゼンテーションが今までと違った視点から見られる様になった点だ。Appleのプレゼンテーションはとてもワクワクさせてくれるので、非常に些細なこだわり部分について見逃しがちだけれど、本書を読んでからはハッキリと一つ一つのテクニックが見えてきたのだ。繊細に作り込まれたプレゼンテーションには、ゲストにそんなことを考えさせる間すらなく、楽しませることができるのだろう。そんなことを思ってみた。
まだまだ、プレゼンに関する勉強は続けていきたい。プレゼンをしろと言われてウヘェーと思う人もいるかもしれないが、どんな風にゲストを楽しませてやろうか、驚かせてやろうかと考えるのが楽しくてたまらないのだ。
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
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